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 上昇傾向にある新規上場

平成26年末のマスコミ報道でも騒がれていましたが、近年はIPOする企業が増加傾向にあります。

これは、東証が公表している新規上場会社のデータです。

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ソース http://www.tse.or.jp/listing/new/

数値だと分かりにくいので、グラフに変更すると、以下のようになります。

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グラフから視覚的に窺えるように、近年はITバブルの頃にジリジリと近づくように新規上場が相次いでいます。

現在の景気向上の影響もあり、平成27年も新規上場企業が増加する傾向が続く見込みです。

さて、それではそもそもIPOを各社は目指すのでしょうか。

IPOの基本中の基本となりますが、今一度IPOのメリット・デメリットを整理したいと思います。

IPOのメリット・デメリットについては、多くの文献等で述べられていますが、上場会社の監査を通じた経験から、個人的に重要だと思われる点をピックアップしてお伝えします。

 IPOのメリット

 

  1. 信用度・知名度の向上
    上場会社となるために、財政面及び組織面において高いハードルが存在することは、多くの社会人が認識しています。
    一方で、非上場会社の場合、仮に決算書を見せられたとしても、監査法人の監査を経ていないことから、その信用性を疑われるおそれがあります。
    そのため、「上場会社=信頼できる会社」という図式が成り立っています。

  2. 人材確保の容易性
    中小企業において頭を悩ませる要因の一つとして、人材確保という問題があります。
    非上場会社である場合、よほど知名度が高い会社でない限り、優秀な人材が集まりにくい傾向にあります。
    これは、上場会社の信用度や知名度の点と関連するのですが、就職活動において安定を求める観点からすると、非上場会社よりも上場会社を優先する傾向があることは事実です。
    口コミや紹介に頼る人材採用の枠を超えるためには、IPOという手段が効果的となります。

  3. 投下資本の回収(創業者利益の獲得)
    通常、創業者は会社の株式の多くを有しています。
    そのため、IPOを実施することにより、当該株式を市場に譲渡できるようになった場合、多大な利益を得ることが可能となります。
    もちろん、IPOにはそれ以外のメリットが存在し、創業者利益の獲得のみが目的であるケースはないとしても、IPOの動機づけとして存在することは否定できません。

  4. 資金調達の容易性
    非上場会社の資金調達手段は、主に金融機関からの借入金となります。
    IPOを行うことになれば、借入金のほかに株式発行等による資金調達という選択肢を有することができます。
    また、借入を行う際にも、上場会社であることが有利に働くことも往々にして見られます。

 

 IPOのデメリット

 

  1. 上場コスト
    IPOのデメリットとしてまず挙げられるのが、上場コストとなります。
    上場を行う場合、証券会社、株式事務代行機関、監査法人等に費用を支払う必要が生じます。
    この金額は、担当会社の業種や規模などによって上下するため、一概に述べることはできませんが、数千万円の支出は覚悟しなければなりません。

  2. 上場事務の増加
    IPOに伴って、社内の内部統制の整備等を充実する必要が生じます。
    また、有価証券報告書等の開示に伴い、上場事務や財務部の体制強化などの必要性も生じます。
    ワンマン経営で社内決裁等のシステムが乏しかった会社では、上場事務の負担は大きなものになると思われます。

  3. ワンマン経営の終焉
    IPOを行うということは、会社が「My company」から「Public company」に変貌を遂げるということを意味します。
    これまで自由に行っていた経営が、一般株主の存在故に、制限されることが多くなります。
    臨時株主総会も一般株主が存在するため、容易に行うこともできません。
    このように、ある程度不自由な経営となるということも、オーナー企業におけるIPOのデメリットと言えるでしょう。


以上、IPOのメリットとデメリットにつき、重要と思われる点について記載しましたが、メリットのみを取ってデメリットを取らないということはできません。

メリットとデメリットを天秤にかけ、今後の会社の方向性を加味して検討した結果、メリットの方が大きいと考えるのでしたら、IPOに挑戦すべきでしょう。

なお、上記メリットには記載しませんでしたが、IPOに挑戦するという「ロマン」も、IPOを駆り立てる重要な要因となっていると思います。