Q01. 全く協調性がない社員を解雇できますか
A. 原則として認められませんが、協調性欠如の程度によっては解雇が許される余地があります。しかし、まずは本人に対して指導・注意を行い、場合によってはチームワークを必要としない部署へ配転するなどの対処をとるべきでしょう。
どの職場でも職場の同僚に馴染まない人はいるものです。しかし、単に協調性がないことを理由とする解雇が認められるとすれば、その人の就労先が著しく狭められてしまうことになりかねません。また、その人が単に個性的である場合や、他の従業員に問題があることも多くあります。そのため、原則として協調性がないことを理由に、従業員を解雇することはできません。
まずは、協調性が欠如している社員から事情を聴取し、職場の同僚と馴染めない理由を把握すべきです。そして、本人に問題があるときは、その問題点を指摘し、場合によっては注意を行います。また、チームワークを必要としない部署があるのでしたら、配転することも手段の一つです。
もっとも、これらの手続を行ったとしても業務に差し障りが生じる場合も存在します。また、チームワークが絶対的に必要な職場において、その人の協調性のなさを理由に、業務遂行ができない場合もありえます。このように、協調性のなさが業務遂行に重大な障害をきたしている場合には、例外的に解雇が有効と認められる場合もあります。しかし、労働基準法第18条の2は、解雇権濫用法理(濫用的な解雇は無効とされる法理)を定めています。そのため、解雇無効を争い裁判となったときに、解雇に合理的理由があるという事実の立証責任は、事実上使用者側に課されます。
そこで、協調性のなさを理由に解雇する場合には、解雇が合理的であったという証拠を確保してから行わなければなりません。具体的には、以下の作業が必要不可欠となります。
- 協調性が欠けていることを明らかにする証拠を収集する(同僚がメモを作成する、お客様から一筆書面をもらう、テープなどに録音するなど)
- 注意、指導を複数回行ったこと、配転したことなどを明らかにするため、それらを書面で行う
- 業務にどのような支障を与えたのかを明らかにする証拠を収集する
なお、解雇が裁判上有効とされた具体例として、看護師について、終始独善的・他罰的で非協力的な態度を貫いたために他の職員との人間関係が回復しがたいまでに損なわれ、看護師として不可欠な共同作業が不可能にまで至ったことを理由とするものがあります(横浜地裁平成3年3月12日判決)。








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