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労働問題の知識

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Q03. 社内のパソコンで私用メールを頻繁に行っている者を懲戒処分できますか

A. 私用メールの頻度等の諸事情を考慮し、合理的理由が認められないようでしたら懲戒処分の対象となります。但し、懲戒処分の内容は譴責などの軽い処分に留まり、よほどの事情がない限り解雇することは難しいでしょう。

社内のパソコンを用いて、禁止されている私用メールを行い、または、私用でインターネットの閲覧を行う従業員が最近問題となっています。従業員には、勤務時間中は会社の指示に従い誠実に業務を遂行しなければならないという職務専念義務が課されています。また、会社の設備を無断で私用に用いてはいけないことは当然のことです。

しかし、従業員としても、社会生活を営む上で、受信した私用メールに対し適宜即応しなければならない場合もあり、私用メールを行うことについて合理的理由が存在することもあります。そのため、合理的理由が存在しないのに、頻繁に私用メールを行うなどの場合には、懲戒処分の対象となりえます。私用のインターネットの閲覧についても同様に考えられます。

但し、私用メールについては、職務専念義務違反の程度が、無断欠勤等と比較して軽微であるため、まずは懲戒処分ではなく、口頭や書面を用いて注意を行うなどの手続を踏む必要があるでしょうそれでも従業員の態度に改善が見られない場合には、譴責等の軽微な懲戒処分に踏み切ることとなります。その際、就業規則等の懲戒理由に、私用メールや私用のインターネット閲覧があげられていれば、懲戒処分の正当性判断の際に立証が容易になるでしょう。

東京地方裁判所平成14年2月26日判決は、「私用メールは、送信者が文書を考え作成し送信することによりその間職務専念義務に違反し、かつ、私用で会社の施設を使用するという企業秩序違反行為を行うことになることはもちろん、受信者に私用メールを読ませることにより受信者の就労を阻害することにもなる。」とし、懲戒処分の対象となると判断しました。また、この判例は、私用メールの量を指摘して、仕事の合間に行ったという程度ではないと指摘しています。

なお、この事件の際に行われた懲戒処分は、譴責処分等でした。また、専門学校の教員が業務用パソコンを用いてインターネット上の出会い系サイト等に投稿し、多数回の私用メールを送受信したことについてなされた懲戒解雇処分が有効と認められた事例もあります(福岡高等裁判所平成17年9月14日判決)。この事案は、送信元が学校のパソコンであることを推知し得るアドレスを用いて、平成10年頃から平成15年頃にかけて、1,000件以上の送受信を行っていたというものです。そのメールの半数程度は勤務時間内に行われていました。高等裁判所では、主体が学校であること、メールの量、頻度、内容等を総合的に考慮し、懲戒解雇を有効としました。

もっとも、この事案の一審判決では、懲戒解雇は無効と判断されていますので、この程度の私用メールであっても懲戒解雇処分の有効性については、限界事例であることに注意しなければなりません。

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