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労働問題の知識

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Q05. 試用期間中であれば、自由に解雇することができますか

A. 試用期間中であっても、自由に解雇することはできず、解雇には客観的合理的理由が必要とされます。

多くの企業では、従業員を採用する際に試用期間を設けています。試用期間は、通常その従業員を実際に業務に従事させてみて、採用する際の面接や試験等によっては知ることのできなかった能力や適正等を把握し、場合によっては正式採用しないことを決定する役割を担っています。試用期間における会社と従業員との法律関係は、判例上、特段の事由が存在しない限り、解約権留保付雇用契約であると解されています。つまり、試用期間とは、会社が雇用契約を解約する権利を保有した状態での雇用契約を意味します。

このように、会社が雇用契約を解約する権利を有しているのであれば、会社がその権利を行使すれば自由に雇用契約を解約できるのでは?と思うかもしれません。しかし、試用期間といえども、会社の一方的都合により雇用契約を解約されるとすれば、労働者は著しく不安定な立場に置かれることになります。これは、従業員が、他の会社の就職活動を全て終了させ、特定の会社の試用期間に従事していることからすれば、想像に難くないことだと思います。そのため、たとえ試用期間であっても、解雇の濫用は許さないという解雇権濫用法理の適用(もしくは類推適用)が認められ、客観的合理的理由のない解雇は無効とされるのです

もっとも、試用期間は、あくまで試用ですので、本採用後の解雇に比べて、有効と認められる範囲は広く認められます。それでは、試用期間における解雇が認められる、客観的合理的理由のある解雇とは、いかなる場合を意味するのでしょうか。この点、三菱樹脂事件判決(最高裁昭和48年12月12日判決)は、「企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を引き続き当該企業に雇用しておくのが適当でないと判断する」場合であると判示しています。

つまり、(1)採用決定の際に知ることができない事情があり、(2)その事情からすれば、引き続き雇用することが不適当である、という双方の要件を満たすことが要求されています。

なお(1)では、「知らなかった事情」ではなく、「知ることができない事情」というように、適切な面接や調査を行うことを会社に課していることに注意が必要です。そのため、試用期間において解雇する場合でも、これら双方の事情につき、後に立証できるように書面等で確保した後に行わなければ、解雇無効となることが予測されます。

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