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労働問題の知識

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Q06. 退職後に同業他社に就職することができないとする特約は有効ですか

A. 無条件に認められるわけではありませんが、このような規制が必要かつ合理的な範囲内であれば有効と認められます。

従業員が在職中に得た技術や顧客に関する知識等を同業他社に転職した後に利用されるとすれば、以前その従業員が勤めていた会社は、重大な影響を受けることになりかねません。一方で、労働者には職業選択の自由が憲法上認められており(第22条)、再就職先を著しく狭めることは、職業選択の自由を侵害することになりかねません。

そのため、判例は、両者の利益に配慮し、有効と認められる範囲を限定したうえで、このような競業避止規定を有効と認めています。そして、このような競業避止規定に違反した場合には、損害賠償請求や競業行為の差止めなどが認められることがあります。それでは、どのような場合に有効と認められるのでしょうか。

まず、原則として会社と労働者との間において、退職後の競業避止について誓約書を取り交わしていること、もしくは就業規則にその旨の記載があることなど、明確な根拠が必要であるとされています(名古屋地裁判決昭和59年6月8日)。この点、明確な根拠が存在しなくても競業避止義務を負わせることができるとする判例もありますが(東京地裁判決平成7年10月16日)、非常に例外的な場合ですので、通常の場合明確な根拠規定が必要と理解しておくべきでしょう。

次に、規制の対象となる競業の内容や労働者の範囲・地理的範囲・期間・使用者の利益および労働者の不利益の程度・代償措置の有無などの点において、客観的合理的理由が存在することが必要となります。

具体的に言えば、競業避止義務を課する労働者の範囲は、末端の従業員ではなく、企業秘密の中枢部に関与する者であることが要求されます。また、競業避止義務を課している期間を2年程度に限定することも要求されます。さらに、特定の地域でしか営業していないにもかかわらず、日本全国での競業を禁止するようであれば、合理性のない規定と判断されかねません。そのため、仮に競業避止規定を設けようと考えているのであれば、これらの事情を検討したうえで、無効とならないよう配慮する必要があるといえます。

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