Q09. 反抗的態度をとり業務命令に従わない労働者を解雇できますか
A. 突然解雇することは難しいでしょうが、何度も戒告等の処分を行ったにもかかわらず態度が改まらず、その者の行為により著しく会社の業務遂行が妨げられているようであれば、解雇が有効と認められる余地があります。
上司の命令に労働者が従わないという事態は、しばしば存在するものです。しかし、その上司の命令自体に合理性が乏しいときや、命令に従わない理由が労働者の誤解に基づくことも考えられます。
そのため、まずはお互いよく話し合い、何故その者が業務命令に従わないのかを明らかにすべきでしょう。そして、労働者と話し合った結果、現在の上司や同僚との人間関係を原因としていることが判明したときには、配置転換などの対処を行うべきでしょう。
そのような手続を踏まず、業務命令に従わないことをもって、直ちに解雇することは、解雇権濫用法理(労基法第18条の2)により無効とされることが予測されます。しかし、労働者の主張が不合理であり、改善を促したもののその態度が一向に改まらないようであれば、懲戒処分を行うことを検討すべきです。
しかし、いきなり解雇するのではなく、まずは解雇よりも軽微な懲戒処分を行うべきでしょう。一般的に懲戒処分には、以下のものが存在します。- 戒告(将来を戒めるものであって始末書をとらない)
- 譴責(始末書をとり、将来を戒める)
- 減給(本来なら当該労働者が受け取ることのできる賃金額から、一定額を控除すること)
- 降格(ある職から別の職へ格下げすること)
- 出勤停止(労働者の就労を一定期間禁止し、その期間賃金を支給しないこと)
- 懲戒解雇(労働者を解雇すること)
会社側としては、まずは戒告や減給処分などを行い、それでも労働者の態度が改まらないようであれば、解雇を検討すべきです。もっとも、懲戒処分を行う際には、その処分を行うこと自体の妥当性が問われますので、懲戒処分の必要性相当性についても配慮しなければなりません。
反抗的態度を理由とする解雇の具体例として、業務分担や人事配置が不公平であることなどを理由に半年近くも一切の業務を行わず、出社するものの自分の机で小説等を読むという行動を行った従業員に対し、上司が注意を行ったところ、上司に顔面殴打する暴行傷害を与えた者に対し、出勤停止処分を行った後に懲戒解雇を行った事案があります(東京地裁判決昭和61年11月28日)。この判決では懲戒解雇が有効と判断されていますが、このような悪質な状態であっても、懲戒解雇処分の前に出勤停止処分を行っていることに着目すべきでしょう。








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