Q11. 残業を拒否する従業員に懲戒処分を行うことはできますか
A. いわゆる三六協定が締結され労基署に届け出た場合であり、かつ、就業規則等に合理性を有する一定の場合に時間外労働(残業)を行わせることができる旨の記載があるときには、残業命令を行うことができ、これに対する拒否は業務命令違反として懲戒処分の対象となります。
まず、労基法第32条は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」として、1週間40時間労働、1日8時間労働を定めています。
そして、労基法第36条は、労働者代表又は労働組合と使用者の間において、時間外労働を行う旨の協定が締結され、それを労基署に届け出た場合には、上記1週間40時間労働、1日8時間労働の枠を越えて、時間外労働、休日労働を行わせることができると規定しています。
この労基法第36条の協定は、一般的に三六(サブロク)協定と呼ばれています。もっとも、三六協定は時間外労働が労基法違反にならないという役割を果たすだけで、労働者に時間外労働を命令する根拠とはなりません。そのため、別途労働者に時間外労働を義務付ける規定が必要となります。
この点、最高裁判決平成3年11月28日判決は、「使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の義務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負う」としています。
つまり、(1)就業規則等に時間外労働を行わせることができる旨の規定があり、(2)その規定に合理性が認められるときには、使用者は残業命令を行うことができるのです。そして、適法になされた業務命令を拒否することは、業務命令違反となりますので、懲戒処分の対象となります。
もっとも、直ちに懲戒解雇をなし得るということではなく、当初は戒告や譴責などの比較的軽微な処分から行い、労働者の改善を促せるべきでしょう。








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