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労働問題の知識

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Q12. 企業秘密を漏洩した従業員にどのような処置をとれますか

A. 懲戒処分や損害賠償請求などの処置が考えられますが、損害賠償請求については立証が困難なことが多く見られます。

従業員が顧客情報などの名簿を持ち出し、外部の名簿屋に売却する、もしくは会社と類似の事業を営むなどの被害を近時多く耳にします。このような場合に、会社としては、この従業員に対してどのような処置をとることができるのでしょうか。

まず、譴責や降格などの懲戒処分が考えられます。懲戒処分を行うためには、就業規則等に予め懲戒事由として規定されていることが要求されます。そのため、就業規則等に「企業秘密の漏洩」などの懲戒事由が存在すれば、これに基づき懲戒処分を行うことが可能となります。このような懲戒事由が存在していないとしても、「素行不良で会社の風紀秩序を乱したとき」などの事由に基づき懲戒処分を行うことも可能でしょう。

ただ、懲戒事由に該当するか否かで揉める可能性があるため、できれば事前に懲戒事由として企業秘密等の漏洩について規定しておいた方が良いでしょう。懲戒処分の他に、企業秘密を漏洩した従業員に対して損害賠償請求を行うことも考えられます。しかしながら、この場合、(1)従業員が企業秘密を漏洩したこと、(2)漏洩によって会社が被った損害額の双方を会社側が立証しなければなりません。

(1)の点について、情報には通常、名前や色が付いていないため、誰からどのように流出したのかという事実を立証することは、大変な苦労が伴います。また、(2)の点についても、情報漏洩により会社が被った損害額を明らかにすることは、非常に難しいものです。

損害額の立証が困難である場合には、民事訴訟法第248条により、裁判所が相当な損害額の認定を行いうるとされていますが、そもそもこの規定は「損害」が生じたと認められなければ機能せず、また認められたとしても、その金額は納得のいくものではない場合が多く見られます。また、一定の営業秘密の漏洩に関しては不正競争防止法により、損害額の推定規定が存在しますが、全ての企業秘密の漏洩がカバーされている訳ではありません。

そのため、月並みな結論とはなりますが、まずは情報を取り扱える者を制限するなど、情報管理をできる限り厳格に行うに越したことはないでしょう。

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